「土を育てる」ゲイブ・ブラウン 服部雄一郎/訳 を読んでみました。

自然 読んだ本

「土を育てる」は2018年10月にアメリカで刊行された
「Dirt to Soil:One Family’s Journey into Regenerative Agriculture」
の日本語版です。
ゲイブ・ブラウン氏
気候変動対策「カーボン・ファーミング」として、いま世界で注目を集めるリジェネラティブ農業(環境再生型農業)の第一人者。
アメリカ、ノースダコタ州で2,000ヘクタールの農場・牧場を営む。
妻と息子の家族3人でたび重なる危機を乗り越えて、化学肥料・農薬を使わない不耕起の栽培によって、自然の生態系を回復させる新たな農業を確立した。彼の農場には国内外から毎年数千人の見学者が訪れるほか、講演やメディア出演も多数行い、世界中にそのメソッドを伝えている。アメリカ不耕起栽培者賞、天然資源保護協議会から成長グリーン賞を受賞
『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』より


服部雄一郎氏(翻訳)
翻訳家・文筆家。1976年神奈川県生まれ。元・葉山町役場ごみ担当職員。
バークレー、チェンナイ、京都を経て、高知県の山のふもとに移り住む。
妻+3人の子どもとともに、できるだけ自然に近いたのしい暮らしを志す。
サステイナブルに暮らしたい ブログ プロフィールより
<著書>
・『サステイナブルに暮らしたい』(アノニマ・スタジオ)
・『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)

<訳書>
・『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(アノニマ・スタジオ)
・『プラスチック・フリー生活』(NHK出版)
・『土を育てる』(NHK出版)
・『ギフトエコノミー』(青土社)
・『みんなの地球を守るには?』(アノニマ・スタジオ)
・絵本『エイドリアンはぜったいウソをついている』(岩波書店)

ブラウン氏がリジェネラティブ農業(環境再生型農業)に至るまで

高校生の時、兄に影響され農業に強い関心を持つことになったブラウン氏
アメリカでは若者向けの農業プログラムという制度があるそうです。
ブラウン氏はそこで畑や畜産に関することに大変興味を持ったそうです。
しかしそこで教わることは

化学肥料・農薬・殺虫剤・殺菌剤をどのように使うか
さらに人口受精・肥育場・飼養管理、様々な農業機械のことなど。
はじめて接する農業が、このような工業型農業であれば
誰もが何の疑いもなくそうするのがあたりまえで、疑う事すら思わないのではないでしょうか

高校時代の学校の帰りに農場の手伝いをし、ただ石とりをしただけだけど楽しくて仕方なかったと、
そしてその後その農場の娘さんと結婚されました。

義父の農場を引き継いだのは1991年
義父の農場はもともと慣行農法で、ブラウン氏は疑問点がありながらも
義父のいうようにされていたそうが1994年友人に勧められ「不耕起栽培」に転換されました。
そして、耕起用の機械を全部売り払ってしまい、播種機を購入されました。
義父との確執はあったようですが。

その後1995年から1998年までは残念な事に、4年間もの間の嵐や雹の被害を受けて
ほとんど収益は上がらなかったそうです。
しかしその間いろいろな勉強や研修に行かれ、リジェネラティブ農業への道に進んでいかれました。

健康な土を作るための、土の健康の5原則とは

  1. 土をかき乱さない
    耕さない。
  2. 土を覆う
    緑肥を植えるなど。
  3. 多様性をたかめる
    いろいろな植物を植える。
  4. 土の中に「生きた根」を保つ
    いつも何かを植える
  5. 動物を組み込む
    これは農地の広いアメリカならではとも思いましたが、
    牛、豚、鶏、羊などを飼い畑で草などを食べ、糞をたい肥とし草も踏んでもらうなどするそうです。これぞリジェネラティブ農業(環境再生型農業)の要ではないのかと思います。

まとめ

アメリカのリジェネラティブ農業も、はじめは慣行農法との違いで大変な努力をされたようです。
その中でブラウン氏はどのようにして収益をあげていくか、
また作業効率もしっかり考え休みたいときに休めるようにと、いろいろと実践されています。

本書では、そのほかに酪農や養鶏などの説明
農家のブランディング
政府の補助金制度など
いろいろな視点での解説もあります。

買い手良し(安心、安全な作物や食肉などが買える)

売りて良し(休みが取れて収益の上がる農業)

地球良し(土が蘇り、豊かな自然がある)


相手よし 自分よし みんなよし
「三方良し」でいきたいものですね。

もし、自然栽培やサスティナブルな暮らしなどにご興味があれば
とてもためになる本と思います。

私の家庭菜園にも少しづつ取り入れていきたいと思います。

今日も幸せ!!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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