認知症は不幸なのか。幸せに過ごすこともできるのか。「不幸な認知症、幸せな認知症」を読んで

読んだ本

父が認知症だったのか
アルコール依存症だったのか
今となってはどちらでもよいのですが
この本を読んで肩の荷が軽くなったのは
間違いありません。

著者の上田 諭先生は
大学を出られてから新聞記者になられたのですが、
記者を退職して医大に入り医師になられた
異色の経歴をお持ちです。

認知症になったら不幸でしょ
と、思っていた私は
幸せな認知症ってどういうこと?
って思いました。

そして帯には

「ぼけたら終わり」ではなく
「ぼけてもいい」と楽しく暮らすために。

と書いてある。

父とこれからどう暮らせばいいか
わからなくなっていた時に
これはすぐに読まなければと
手に取ってみたのでした。

前書き

認知症には治療方法が無い。
薬は症状を遅らせるだけである。

これでは認知症になったら終わりだと
だれでも思ってしまいます。

しかし先生は治療法を追求する限り
そこに希望は無いと

そして治らない薬を処方することは
本人や家族のためにならない
間違っているのではないかと
悩まれたそうです。

治らない認知症を治そうとしていること
認知症の方の話にしっかり耳を傾けていないと
気づかれたそうです。

そうでした。
私も父の話をちゃんと聞いていなかったと思います。

第1章 認知症になったらどうしようと不安に思っているあなたへ

第一章は認知症の説明と
認知症と似たような症状になる状態の事などが
説明されています。
ここは認知症かどうか判断するのに
とても大事と思います。
今までの病歴や生活習慣なども
把握しておかないといけませんね。

父を連れて新しい病院に
行くたびに既往歴を聞かれるので
先にノートにでもまとめておけば
良かったと今でも思います。
なので自分や家族の病歴は
ノートにまとめています。
入院したことは覚えていたも
いざとなるといつ頃の話だったか
はっきり思い出せなくて
病院で説明できません。

家族の顔を見てもわからない、どこにいるのかわからない、徘徊をする、というのは
認知症でも重度の人の症状です。
最初の兆候から周囲の人がおかしいなと感じるまで
発症から10年~15年ぐらいはかかるそうです。

引用元『不幸な認知症 幸せな認知症』上田諭著

認知症で困るのは
やはり重度で徘徊などしてしまう事
だとも思うのですが
重度になるまで10年以上かかるなら
警察にお世話になるほど
遠くへ出かけてしまったのは
何だったのだろうと思いました。

のちに父に聞いてみたら
それなりに理由があったみたいです。
本人の話をよく聞かないといけませんね。

ボケたら困る、ボケないようにしよう、と思っていますか?
ボケたっていいではないですか。認知症は早期発見で治る病気でもなく、予防もできません。
90歳になれば 6割は認知症です。だったら病気を恐れず、それまで楽しく暮らすほうがいいのではないでしょうか。

引用元『不幸な認知症 幸せな認知症』上田諭著


先生の考えは本当に気を楽にしてくださいます。
90歳になったら6割は認知症だそうです。
そこまで長生きするのだろうか。
まだ30年もあります(笑)

父が病院で受けた認知症診断ツール
長谷川式簡易知能評価スケールの事も
詳しく載っています。

第2章 認知症と診断されたあなたへ

この章は先生が認知症と診断された方に
その方の立場に立って
やさしくアドバイスされています。

若年性アルツハイマー病の方が これからのことについて書いたものがあります。
そのなかで認知症の高齢者の方に おすすめできるものを見つけました。
できる範囲で試してみるのもいいかもしれません。

引用元『不幸な認知症 幸せな認知症』上田諭著

ためしてみたらいいことは7つありましたが、
そのうちの2つを紹介します。

1、日記をつける 
ブログで日記をつけながら頭の体操しています。
後で見返すとこんな事あったな~って
思い出すのもいいかもしれないです

2、普段たべているものを写真に撮って記録する
自分の好きな物、食べなれているものがわかる。
ヘルパーさんに頼むときにもすぐわかる。
料理ノートを作るのも良いかもしれません。

第3章 認知症のご家族、友人、知人、介護職のあなたへ

この章は認知症の方に関わる人へのアドバイスです。
先生が実際の診察でおっしゃる事なのが
よく伝わります。

「あなたは認知症です」と 高齢者にアルツハイマー病の告知をすることに
意味はないと考えています。
だから私は本人に告知をしません。
これからの生活を楽しくすることのほうが大事なのです。

引用元『不幸な認知症 幸せな認知症』上田諭著

私も先生のおっしゃる通りと思いました。
どちらにしても治るわけでもないし
残された時間を楽しく過ごせれば
それに越したことはない。
そのための具体的な方法がいろいろと書いてあり
前もって知識があることでずいぶん助かりました。

まとめ

この本は認知症の病気の解説だけではありませし
行政のサポートの事などは詳しくのっていません。
しかしながら認知症本人の方やその周りの家族・友人・知人
かかわる人たちに
どうすれば認知症でも幸せにすごす事ができるか
アドバイスしてもらえます。

父がどんな風に思っていたかはわかりませんが
この本を読んで私は本当に幸せに過ごせたと思っています。

じゃ、またね~♪

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